祝! Xperia XZ1 Compact発表!
ベルリンにて現地時間9月1日から開催される「IFA 2017」に先駆け、ソニーモバイルコミュニケーションズはプレスカンファレンスを開き、新機種の発表を行いました。中でも注目されているのはソニーのお家芸ともいえる「Compact」シリーズの最新作、「XZ1 Compact」(以下、XZ1Cと表記)です。
正直本当に登場するのか不安だったのですが、無事発表されて安堵しています。ちなみに、今回は全世界的に防水扱いのようです。
スペックなど
本体サイズ | 65 x 129 x 9.3(mm)、143g |
OS | Android OS 8.0 |
SoC | Snapdragon 835 Octa-Core |
カメラ | 19MP、Motion Eye、960fps スーパースローモーション、4Kビデオ、ほか |
インカメラ | 18MP、F/2.4、18mm相当(画角120°)超広角レンズ |
バッテリー | 2700mAh、Smart STAMINA、Quick Charge 3.0、Battery Care、Qnovo Adapting Charging |
ディスプレイ | 4.6インチ HD トリルミナス、Corning Gorilla Glass 5 |
メモリ | フラッシュストレージ:32GB UFS、RAM:4GB |
セルラー(4G) | LTE Cat.15、下り最大800Mbps |
無線(セルラー以外) | Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac |
端子 | USB 2.0(Type-C) |
その他 | Hi-Res、IP65/68、指紋認証 |
スペックの詳細な講評などは他サイト様にお任せするとして、個人的な感想を述べると、久しぶりに誰にでも勧められるXperiaが出てきたなというところです。
4.6インチHDディスプレイというのは3年前の「Z3 Compact」から変わっていないポイントの一つで、度々槍玉にも挙げられる点なのですが、正直このサイズのディスプレイで解像度がHDかFHDかというのは実用上そこまで大きな使用感の差にはつながらないのではないかと思います。むしろ解像度が低いことはバッテリー持続時間に寄与するので、私は評価に値すると考えます。それにみんながみんな高解像度至上主義ならZ5PもXZPももっと売れてるはずだもんね。
先代の「X Compact」は同時に登場した「XZ」と異なりワンランク下のSoCであるSnapdragon 650を搭載していました。もちろん省電力性と処理能力のバランスを取ってのことだった思うのですが、最新のゲームアプリなどをプレーするにあたっては若干心もとないスペックでした。XZ1Cでは再びフラグシップモデルの「XZ1」と同じSnapdragon(SDM) 835を搭載しており、用途を問わず高いパフォーマンスを発揮してくれることが期待できます。何よりハイエンドコンパクトスマホが希少な昨今、ソニーが再び牽引役として先頭に立ってくれたことがとてもありがたいですね。引き続き市場を盛り上げてもらいたいと思います。
誰にでも持ちやすい幅65mmの筐体に最高クラスのSoCと4GBのRAM、フラグシップ並みのカメラを詰め込んだ魅力あるコンパクトモデル、という感じですね。私もぜひ購入したいと思える機種です。
今後のラインナップを予想
今年上半期の時点では、Xシリーズがディスコンとなることが報じられており、楽観的に捉えれば今年下半期のコンパクトモデルは再びハイエンドクラスになると予想できたのですが、一方でそもそも「Compact」シリーズがもう開発されないのではないかと心配にもなるニュースでした。
結果的には杞憂でした。今後もしばらくはCompactの系譜が続くと分かったところで、Xperiaのシリーズラインナップについておさらいし、これからのリリースサイクルを予想してみたいと思います。*1
1機種しか出てなくてもシリーズ扱いしています
XZシリーズ(ハイレンジフラグシップ)
- XZ
- XZs
- XZ1
Zシリーズ時代のZシリーズに相当する、5.2インチクラスのフラグシップシリーズ。とくにいうことがない
XZ Premiumシリーズ(ハイエンド)
- XZ Premium
Zシリーズ時代は「Z5 Premium」が投入され、単なる4K版Z5という感じでしたが、「XZ Premium」(XZP)はXZシリーズに先行してSDM 835を採用し、高解像度なだけではない最上位シリーズという立ち位置を確立しました。
XZ Compactシリーズ(ハイレンジコンパクト)
- XZ1 Compact
ZシリーズにおいてもZ Compactシリーズとして投入されていた、4.6インチクラスながら最新SoCを採用した高機能モデル群。2年ぶりに復活し、今後も継続的な開発が期待されます。
XAシリーズ(ミッドレンジ)
- XA
- XA1
- XA1 Plus
Zシリーズ時代のCシリーズにあたるモデル群。MediaTek製SoCを採用し価格を抑えつつ、セルフィ―需要に応える高性能なインカメラの搭載や挟額縁デザインで独自色を出しています。Cシリーズに引き続き国内未発売。Y!mobileあたりで取り扱えば売れると思うんだけどね。非防水だからダメなのかな。
XA Ultraシリーズ(ミッドハイファブレット)
- XA Ultra
- XA1 Ultra
Zシリーズ時代のC Ultraシリーズに相当。XAシリーズの特長を押さえつつ、大画面需要に応えます。基本的なスペックは非Ultraモデルに準じますが、XA1 UltraではXA1より大容量のRAMを搭載するなど、筐体設計に余裕がある分なのか少し豪華な仕様になっている面もあります。
Lシリーズ(エントリー)
- L1
Zシリーズ時代のEシリーズの役割を担うと思われます。いつになったら金にならないローエンドの開発をやめるんだ*2
Xシリーズ[廃止](ミッドハイ~ハイレンジ)
- X
- X Performance*3
- X Compact
Zシリーズ時代のMシリーズに近いポジションでしたが、X Performanceを除いて販売目標を大きく下回る売れ行きだったために廃止に。Mシリーズ時代は「M4 Aqua」などが防水対応し、Cシリーズと差別化を図ろうとしていたようですが、逆にZシリーズの周回遅れっぽくなっていた印象があります。いずれにせよXZシリーズとXAシリーズで需要はカバーできるので、わざわざ機種数を増やすことはないという判断でしょう。今後はXZシリーズからLシリーズまでを総称する名前としてのみ呼ばれることになります。
XZ系列の機種と、XA系列の機種について発表・発売時期を見てみると、
- XZ(Later '16)→XZs(Early '17)→XZ1(Later '17)
- XZP(Early '17)
- XZ1C(Later '17)
- XA(Early '16)→XA1(Early '17)→XA1P(Later '17)
- XAU(Early '16)→XA1U(Early '17)
という感じです(XA1P=XA1 Plus、XAU=XA Ultra、XA1U=XA1 Ultra)。サイクル的には、上半期にXA・XAUシリーズ、XZPシリーズのフルモデルチェンジと、XZシリーズのマイナーチェンジ、下半期にXZ・XZCシリーズのフルモデルチェンジと、XAシリーズのマイナーチェンジを投入しています。
おそらくですが、今後はこのサイクルが定着していくのではないでしょうか。ソニー自身が「フラグシップモデルの刷新は1年周期で行っていく」と発言しており、2016年下半期以降はこれに合致しているためです。*4 XZPシリーズで最新技術やSoCを導入し、開発がこなれたらフラグシップのXZシリーズに持ち込む、というやり方とも予想できます。
逆に言うと、このサイクルから外れた場合は開発が危ういと予測できます。そうならないよう、好きなシリーズは買って応援しましょう(?)。
何はともあれ、Compactシリーズの続投ははっきりしたので一安心です。国内版の発表が楽しみですね。価格などが判明したら当ブログでもお伝えしてまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。